腎臓病で足がつることはあるのか
まずは基本的なことからです。足がつるというときに、その原因について考えてみると、多くがミネラル不足につながります。例えば、食事が偏っている、運動をして汗をかくことでミネラルを消失してしまっているといった理由です。もちろん、そのほかにもあらゆる理由が複雑に絡んでいる点は認めざるを得ませんが、多くはミネラル不足によるものでしょう。
一度、ミネラルを摂ってみて、改善がない場合は腎臓の病気を疑うのも1つの手です。足のつりなどに必要なミネラルについては下記記事を参考にしてみてください。
腎臓のはたらきについて見て行きましょう。
不要なものをろ過
腎臓の病気にもいろいろとありますが、腎臓には血液をろ過して、老廃物と血液に分ける網の目の様な部分があります。それは糸球体と呼ばれます。この場所に問題が起き、体に老廃物が溜まります。老廃物が体の中に溜まると、イオンバランスが崩れて行きます。腎臓の病気になるとむくみが出たり、倦怠感が強くなるのは老廃物が溜まってしまうためです。
血圧を調整する
腎臓は、塩分と水分の排出量をコントロールすることによって血圧を調整しています。塩分と水分が一緒に排出されます。塩分がうまく排出されずに体内に溜まるということは水分も一緒に体内に貯留するということになります。ですから慢性的な腎臓病の症状で体がむくむということが言えるのです。多く取りすぎた塩分、正確にはNa(ナトリウム)と言いますが、ナトリウムを多く含んだ血液は腎臓を通過し、そして腎臓はナトリウムを排除します。
この時に腎臓の働きが低下しているとナトリウムを排除できないので、余分なナトリウムは血液中に残ります。そうするとナトリウムは水分も一緒につかまえて血液中に残るわけですから、血流量が増え、そして血圧をあげることになります。
体液量とイオンバランスを調節する
血圧の調整とも繋がりますが、腎臓が調整に関わっている電解質はナトリウム以外にもあります。カリウムイオン(K+)、水素イオン(H+)、クロムイオン(C-)、重炭酸塩(HCO3)、そしてナトリウムイオン(Na+)です。これらの4つの成分は電解質平衡の異常を知るために測定されるものです。腎臓を経て移動する電解質にはこれら全てを含んでいます。
この電解質の体内のバランスが崩れると様々な症状があらわれます。その中のひとつに足がつるという症状があります。
このほかに、血液を作ることにも腎臓は関わりがあります。
足がつることに腎臓病が関係しているかどうかのヒント
足がつる原因がいくつかあるために、腎臓病が原因かどうかを探すヒントのようなものがあると分かりやすいと思いますよね。できれば、単なるミネラル不足や水分不足などであった方がいいのですが、腎臓病が原因なのかそうでないのかということは早めに見極めた方が良さそうです。実際に、症状が出て病院に行ったときには腎臓病がかなり進んでいるということもあります。そのようなことにならないためにもひとつの目安を知っておきましょう。
- 体がむくんでいるか
- 倦怠感があるかどうか
- 貧血にはなっていないか
- 血圧の異常はないか
これらのことは、腎臓病になると現れる症状の主なものです。この中に足がつるという症状があるので、足がつる+上記の症状があるという場合には、腎臓病を疑って病院で早めに診てもらうようにしましょう。
むくみについてですが、毎日自分の顔を見ていてもあまりピンと来ない人もいるようです。家族、会社の同僚、友人など頻繁に顔を合わせる人に指摘される場合は間違いなくむくんでいることが多いようです。
腎臓の病気の検査
腎臓の病気かどうかの検査については比較的簡単に行うことができます。
- 尿検査~たんぱく尿や血尿が出ているかどうかで判断可能。
- 血液検査~血清クレアチニン量で腎臓病の進行具合が分かります。
- 画像診断~超音波検査や腹部CTを行います。
- 腎生検~腎臓の一部を切り取り、顕微鏡で検査する方法。
これらの方法で腎臓の病気の有無、病気の進行度、病気の詳細を診て行きます。
足がつる!考えられる病気は腎臓病?まとめ
足がつることで腎臓病の可能性があるということがあります。腎臓病はかなり病気が進んでから症状が出ることが多いので、早めに医師の診察を受けることが必要です。腎臓病の可能性があるかどうかについてですが、体がむくんでいるか、倦怠感があるかどうか、貧血にはなっていないか、血圧の異常はないかでだいたいの可能性を知ることができます。腎臓の検査にはいくつか種類がありますが、最初は尿検査をします。その検査結果次第でその他の検査をすることになります。腎臓の病気も早期発見早期治療が大切です。